ヒゴタイという花
ヒゴタイという花、ご存知ですか?
丸いポンポンのような瑠璃色のかわいい花。
ヒゴタイはキク科ヒゴタイ属の多年生植物、氷河時代の残存植物のひとつなのだそうです。
ヒゴタイの和名の漢字表示は「平江帯」または「肥後躰」と書きます。花言葉は「実らぬ恋」。
分布は西日本(愛知県、岐阜県、兵庫県、広島県)、そして九州の特定箇所で確認されています。
特筆すべきは、レッドリスト(絶滅危惧種)に指定されているほど貴重な花なのです。
九州のヒゴタイ
九州でヒゴタイを見ることができるのは、阿蘇くじゅうの高原、日当たりのよい草原地帯です。
こちらではもともと自生しており、どこでも見られたようですが、今では限られています。
開花時期は8月中旬から9月にかけて、青紫色の頭花が多数集まり、5センチほど球状の花を咲かせます。
上の方から咲いてくるので、最初はツンツン頭のようでなんともかわいいんです。
(ヒゴタイと阿蘇山)
産山村のヒゴタイ公園
阿蘇山の北東にある産山村、村の花はヒゴタイです。
産山村には、その名も「ヒゴタイ公園」という、草原の一区画があり、その時期にはヒゴタイが咲き誇ります。
ヒゴタイ公園は村の中でも北にあり、そのすぐ先は久住高原と隣接しています。
見晴らしのよいところで、近くにくじゅうの山を見、遠くに阿蘇山を望みます。
公園の開園期間は7月中旬~10月中旬、その間の入園料200円、閉園期間は無料開放されています。
ヒゴタイの時期に行くと、ヒゴタイと一緒にオミナエシやナデシコなどたくさんの花が咲いています。
園内には花壇もありますが、ヒゴタイなどは自生しているもので、ランダムに咲いています。
ヒゴタイの茎はしっかりしていて茶系の色、小さな葉っぱ、そして青紫のまんまる、丸い中に小さな花がたくさんついていて、
なんともほのぼのした、草原の中で咲いている姿は絵本のような光景です。
では、ヒゴタイ公園で見ることができるお花をご案内します。
ヒゴタイ公園の花暦
- 3月...野焼きで真っ黒、そこからキスミレ
- 4月...ハルリンドウ
- 5・6月...スミレ
- 7月~...ラベンダー、ユウスゲ、カワラナデシコ、オミナエシ・・・
- 8月~...ヒゴタイ、マツムシソウ、ミソハギ・・・
- 9月中旬~...コスモス、リンドウ・・・
- 11月...ススキ
- 12~2月...冬、雪景色も
ヒゴタイ公園では、約50種類の山野草が夏から秋にかけて花を咲かせます。
ここは標高880mもある高原ですから、秋めいてくるとどんどん気温が下がってきます。
11月にススキを見たあとは冬籠り、春先の野焼きを待ちます。
(ヒゴタイ公園の開花情報
http://www.ubuyama-v.jp/tourism/scenic_spot/higotai_park/)
(ヒゴタイ公園のナデシコ)
ヒゴタイ公園周辺
最後にヒゴタイ公園の周辺の様子をもう少し。
この一帯は広大な草原が広がり、牛や馬が放牧されていたりする、のどかなところです。
そしてもう1つの特徴は水源!日本名水百選にも選ばれている「池山水源」がすぐ近くにあります。
そのほか熊本の名水百選の「山吹水源」は、原生林に囲まれた渓流を見ることができます。
人が住むまわりは豊かな水を利用した水田があり、その光景には、日本の田舎の美があります。
九州の水源は、また別にご案内していく予定です。お楽しみに。